こんにちは。ウイスキーの飲み方と違いを知るサイトを運営している水島あきらです。
あなたがウイスキー 蒸留 回数 違いで検索したのは、「二回とか三回とか言われても、結局なにが変わるの?」という素朴な疑問があるからではないでしょうか。
私も昔は同じでした。バーで「これは三回蒸留ですよ」とさらっと言われて、うなずいたものの、家に帰ってからモヤモヤしたんですよね。
そうなんです、わかりにくいのが蒸留の話なんです。
ウイスキーの基礎から整理したい方は、「ウイスキー初心者完全ガイド」もあわせてご覧ください。
この記事では、蒸留回数が味や香りにどう関わるのかを、なるべく噛み砕いて一緒に整理していきます。
あなたが次の一本を選ぶときの、小さな手がかりになればうれしいです。
- 蒸留が何をしている工程なのかがわかる
- 蒸留回数が増えると起きやすい変化をつかめる
- 二回蒸留と三回蒸留の違いを飲み方に結びつけられる
- スコッチを中心に蒸留の個性の見方が身につく
ウイスキー蒸留回数の違いを理解する
蒸留回数の話は、いきなり数字から入るよりも、蒸留そのものがどんな役割を担っているかを知っておくと、自然と腑に落ちてきます。
蒸留は、発酵で生まれたアルコールや香りをただ濃くする工程ではなく、必要なものを選び取り、いらないものをそっと外していく作業です。
ここでは、蒸留が何を分け、どうやって香りの芯を残していくのかを、順を追って見ていきましょう。
基礎を押さえることで、蒸留回数の違いが「意味のある情報」として見えてくるはずです。
ウイスキーの蒸留とは何か

ウイスキーの蒸留という言葉はよく聞きますが、実際に何をしている工程なのかを整理してみると、蒸留回数の話もぐっと理解しやすくなります。
蒸留は、発酵でできた液体からアルコールと香りの成分を取り出し、ウイスキーの芯になる部分をつくるための工程です。
発酵を終えた液体は、いわば「ビールの手前」のような状態で、アルコール度数はまだ控えめです。
ここで蒸留を行うことで、アルコールの濃度を高めつつ、香りや味わいのもとになる成分を集めていきます。
大切なのは、ただ強いお酒にするための作業ではない、という点です。
蒸留の仕方しだいで、軽やかな方向にも、重厚な方向にも酒質を寄せることができる。
だから蒸留は、ウイスキーの性格を大きく左右する分かれ道になっています。
私が初心者の頃、ボトルの裏に並ぶ専門用語を見ては、「なんだか難しそうだな」と感じていました。
ところが、蒸留を「香りの選別」と考えるようになってから、見える景色が変わったんです。
香りや味の要素はたくさん混ざっていて、すべてを取り出せばいいわけではありません。
料理でも、出汁を取りすぎると雑味が出ることがありますよね。
ウイスキーも同じで、蒸留ではどの部分を残し、どの部分を外すか、その判断が香味の方向性を決めていきます。
蒸留には、大きく分けて伝統的な単式蒸留と、近代的な連続式蒸留があります。
単式蒸留は一回ごとに仕込んで蒸留する方式で、原料や造りの個性が残りやすい。
一方、連続式蒸留は連続的に蒸留を行うことができ、よりクリーンな酒質を得やすいとされています。
この記事で扱う「蒸留回数」の話題は、主にこの単式蒸留の世界で語られるものです。
まずは、蒸留を「香味の芯をつくる工程」だと捉えてみてください。
そうしておくと、次に出てくる蒸留の仕組みや、回数による違いの話が、自然につながって見えてくるはずです。
ウイスキー蒸留の仕組み

名前は聞いたことがあっても、仕組みがわからないと、蒸留回数の意味もつかみにくいですよね。
蒸留は、ざっくり言うと「温めて、蒸気にして、冷やして戻す」という往復運動です。
液体の中には水もアルコールも香りの成分も混ざっていますが、それぞれ温度への反応が違います。
温めると、揮発しやすい成分が先に蒸気になり、蒸気は冷却されて液体に戻ります。
このとき得られる液体が蒸留液、いわゆる原酒のベースになります。ここで大切なのが、蒸気が通る道や、触れる材質です。
ウイスキーの蒸留器に銅がよく使われるのは、見た目の話だけではなく、蒸留中の香味を整える役割があると考えられているからなんですね。
さらに、蒸留では「最初に出る部分」「真ん中の部分」「最後に出る部分」で性格が変わります。
最初は刺激の強い成分が多く、最後は重たさや雑味が出やすい。
だから、蒸留所では真ん中の“おいしいところ”を中心に取ります。
これをヘッド、ハート、テールと呼んだりしますが、言葉だけだと少し分かりにくいかもしれません。
※ ヘッド・ハート・テールといった考え方は、**サントリーが公開している用語解説ページ
(ウイスキーあれこれ辞典)**でも、図解付きで整理されています。
ここではあくまで確認用として見るくらいが、ちょうどいいと思います。
そして蒸留回数が増えるというのは、この“温めて戻す”工程を繰り返すことになります。
繰り返すほど、より揮発しやすい成分が中心になりやすく、結果として軽快で滑らかな方向に寄ることが多いです。
ただし、軽い=良い、重い=悪い、ではありません。重さの中に、麦の甘さやオイリーさ、スモーキーさが立つこともありますからね。
私がよくお伝えするのは、蒸留を「ふるいにかける作業」だとイメージしてみてください、
ということです。細かい粉だけを残すのか、少し粗さも残すのか。
その“ふるい”を何回かけるかで、手触りが変わっていく。そんな感覚を持つと、二回蒸留や三回蒸留の違いが、少し身近になるのではないでしょうか。
蒸留工程から理解するウイスキー

名前は聞いたことがあっても、蒸留が製造全体のどこに位置しているかを押さえると、理解がぐっと楽になりますよ。
ウイスキーは大まかに言えば、原料を仕込んで、発酵させて、蒸留して、樽で寝かせる流れです。
蒸留はその真ん中にあって、「発酵で生まれた香味をどう磨くか」を担っています。
まず原料は、モルトなら大麦麦芽、グレーンならトウモロコシや小麦、ライ麦などが使われます。
糖をつくり、酵母で発酵させると、香りのもとになる成分がたくさん生まれます。
ここが大事で、発酵の段階で生まれた複雑な成分が、蒸留で整理され、次の熟成で伸びていくんです。
蒸留は、ゼロから香りを作るというより、発酵でできた香りを“選んで残す”役割が強いんですね。
※ 実際の蒸留所見学では、この「仕込み→発酵→蒸留」という流れを順番に見ることができます。
ニッカウヰスキーが公開している宮城峡蒸溜所の見学ガイドは、工程全体をイメージする補足としてとても分かりやすいです。
単式蒸留の世界だと、最初の蒸留でアルコールをまとめて取り出し、次の蒸留で香味の中心を選ぶ、という考え方が基本になります。蒸留所によっては、ここで取る範囲、いわゆるカットの幅が違います。
真ん中を広く取って軽やかにするところもあれば、あえて幅を狭めて凝縮感を狙うところもあります。
こういう話は、聞いているだけで少しワクワクしますよね。蒸留所の哲学が、蒸留の取り方に滲むんです。
また蒸留器の形も、香味に関わります。
背の高い蒸留器は軽めの要素が前に出やすく、背の低いものは重めの成分が残りやすい、と言われることが多いです。
もちろん、それだけで決まるわけではありませんが、蒸留器の形、材質、加熱の仕方、蒸留時間、そして蒸留回数。
こうした要素が組み合わさって、その蒸留所らしさができていきます。
蒸留酒としてのウイスキー
蒸留酒としてのウイスキーを考えるとき、醸造酒との違いを押さえておくと、蒸留回数の話がぐっと整理しやすくなります。ウイスキーは蒸留酒です。
つまり、発酵だけで終わるお酒ではなく、発酵した液体をいったん蒸留し、成分を整理・濃縮したうえで、樽で熟成させていく工程を持つお酒なんですね。
醸造酒は、発酵でできたアルコールと香味を、そのまま味わうイメージです。
ビールやワイン、日本酒がそれにあたります。一方で蒸留酒は、発酵で生まれた香味を一度“組み立て直す”ような工程が入ります。
もちろん、人工的に作り替えるという意味ではありません。
蒸留によってアルコール度数が高まり、香りや味わいの骨格が整っていく。
そしてその後、樽熟成によって、色合いや甘い香り、スパイス感といった要素が重なっていきます。
工程が長いぶん、どんな酒質を目指すかを設計できる余地が広い。そこが蒸留酒の面白さでもあります。
蒸留の回数が話題になるのは、蒸留酒が「どこまで濃縮するか」「どの成分を中心に残すか」を選べるからです。
よく「不純物を落とす」と言われますが、これは危険なものを取り除く、という意味ではありません。
香味の中で刺激になりやすい成分や、重たく感じられやすい要素を、どこまで整理するか、というニュアンスです。
一般的には、蒸留回数が増えると滑らかで軽快な方向に寄りやすいとされ、回数が少ないと穀物感やオイリーさが残りやすく、飲みごたえにつながることがあります。
どちらも、蒸留酒ならではの設計の結果なんですね。
そしてウイスキーには、蒸留の後に樽熟成が待っています。
ここがとても面白いところで、蒸留で軽めに設計した原酒は、樽の香りを取り込みやすい場合がありますし、重めに設計した原酒は、長い熟成に耐えやすい骨格を持つことがあります。
蒸留と熟成は別々の工程に見えて、実は相性がある。蒸留の時点で、熟成の伸びしろをある程度“仕込んでいる”ようなイメージです。
私がバーでよく聞かれるのが、「飲みやすいのはどっちですか?」という質問です。
これは、あなたが何を飲みやすいと感じるかで答えが変わります。
アルコールの刺激が穏やかに感じられるものが飲みやすいのか、香りが素直で追いやすいものが飲みやすいのか。
蒸留回数は、そのヒントのひとつになります。
蒸留酒としてのウイスキーを知っておくと、ボトル選びに少し余裕が生まれてきますよ。焦らなくて大丈夫です。
単式蒸留で造られるウイスキー

名前は聞いたことがあっても、単式蒸留がどうして“個性”につながるのか、そこが気になりますよね。
単式蒸留は、蒸留器に仕込みの液体を入れて、一定量を一回ずつ蒸留する方式です。
ウイスキーの世界では、銅製のポットスチルが代表的で、やかんのような形を思い浮かべるとわかりやすいと思います。
※ ポットスチルの形や蒸気の動きについては、サントリーが公開している「THE POT STILL」解説ページに、写真付きでまとめられています。構造をイメージする補足として見ると理解が深まります。
単式蒸留の特徴は、毎回入れ替えながら蒸留することです。
だから手間も時間もかかりますが、そのぶん香味のコントロールが細かくできます。
蒸留回数も、この単式蒸留の中で語られることが多いですね。
蒸留を重ねるほど、雑味が落ちていき、軽さが出やすい。一方で、原料の個性が薄くなる場合もある。
ここは好みが分かれるところです。
私が面白いなと思うのは、同じ二回蒸留でも、蒸留所が変わると印象がまるで違うことです。
片方は軽やかでフルーティーに感じ、もう片方はしっかりオイリーで飲みごたえがある。
これは蒸留回数だけでなく、蒸留器の形、加熱の仕方、どこをハートとして取るか、そういう要素が重なるからです。だから、蒸留回数は“答え”というより“入り口”なんですね。
単式蒸留で造られる代表格は、モルト系のウイスキーです。
少量生産で個性を追求しやすいから、蒸留所のこだわりが出やすい。
あなたがもし「香りの表情を楽しみたい」「余韻をじっくり味わいたい」と思っているなら、単式蒸留のボトルを意識してみると、楽しみが増えるのではないでしょうか。
ウイスキー蒸留回数の違いで味を読む
ここからは、蒸留回数と味わいの関係に一歩踏み込んでいきます。
二回蒸留と三回蒸留で、何が起こりやすいのか。その違いは、教科書的な正解というより、味の傾向として現れるものです。
スコッチの例も交えながら、軽やかさや飲みごたえといった感覚を、蒸留回数と結びつけて整理していきます。
あなたが実際にボトルを選ぶ場面で使える見方として、無理なくつなげていきますね。
ウイスキーの蒸留回数は?
ウイスキーの蒸留回数については、名前は聞いたことがあっても、「結局ふつうは何回なの?」という疑問が一番気になりますよね。
一般的には、ウイスキーの蒸留回数は二回が多いとされ、地域やスタイルによって三回蒸留が採用されることもあります。
ここで大事なのは、回数が多いほど“上”という話ではなく、あくまで狙う酒質に合わせた設計だ、という点です。
二回蒸留は、香味と飲みごたえのバランスを取りやすい、と言われることが多いです。
最初の蒸留でアルコールをまとめて取り出し、次の蒸留で香りの中心となる部分を選ぶ。
この流れは工程としても整理しやすく、造り手にとってコントロールしやすい側面があります。
そうした理由もあって、伝統的に二回蒸留が主流になった地域が多いのだろうな、と私は感じています。
一方で三回蒸留は、さらにもう一段階、原酒を“磨く”工程が加わります。
その結果、一般的には口当たりがより滑らかで、軽快な印象になりやすいと説明されることが多いですね。
ただ、ここで誤解しやすいのが、「軽い=薄い」というイメージです。
三回蒸留は、決して薄いわけではありません。
むしろ刺激になりやすい要素が整理され、香りの輪郭が整うことで、果実のような香りがはっきり感じられる場合もあります。
逆に二回蒸留は、麦の甘さやオイル感、スモーキーさといった要素が残りやすく、厚みのある印象につながることがあります。
どちらを“濃い”と感じるかは、あなたの好みや飲み方次第なんですね。
私のおすすめは、蒸留回数を「飲み方のヒント」として使うことです。
たとえば、軽やかで滑らかな方向のウイスキーは、ストレートでもアルコールの刺激が強く感じにくいことがあります。
一方で、飲みごたえのあるタイプは、少量の加水で香りが開いて、表情が豊かになることもある。
もちろん例外はありますが、蒸留回数という情報は、飲み方の作戦を立てるうえで、意外と頼りになる存在です。
そしてもうひとつ覚えておくと安心なのが、蒸留回数の話は「単式蒸留の回数」を指していることが多い、という点です。連続式蒸留は構造上、塔の中で段階的に成分の分離が進むため、単純に「何回」と数えにくい。
だから、二回蒸留・三回蒸留という話題は、ポットスチルを使った単式蒸留の世界で、特に意味を持つと考えると整理がつきます。
次にラベルを見るとき、「二回蒸留か、三回蒸留か」は、味の方向性を読む小さな鍵になってくれるはずですよ。
蒸留回数から見るウイスキーの違い

ここまで読んで、「言葉では分かってきたけれど、頭の中で整理しきれないな」と感じた方もいるかもしれません。そこで一度、二回蒸留と三回蒸留の違いを、傾向として並べてみましょう。これは正解を決めるための表ではなく、あなたの好みや気分を考えるための目安です。
| 比較項目 | 二回蒸留 | 三回蒸留 |
|---|---|---|
| 口当たり | しっかり感があり、舌に芯を感じやすい | 角が取れやすく、なめらかに感じやすい |
| 香りの出方 | 穀物感やオイル感など、厚みのある香りが出やすい | 果実や花のような軽やかな香りが立ちやすい |
| 味わいの厚み | コクや飲みごたえを感じやすい | 透明感があり、すっと広がりやすい |
| 飲みやすさの感じ方 | 量や飲み方で印象が変わりやすい | アルコールの刺激を穏やかに感じやすい |
| 向いている飲み方 | 少量加水やロックで表情が開きやすい | ストレートや軽い加水で香りを追いやすい |
| 向いている気分・シーン | 余韻を楽しみたい夜、腰を据えて飲みたいとき | 軽やかに飲みたいとき、気負わず楽しみたいとき |
※スマートフォンでは、表を左右にスワイプすると読みやすいです。
※ この表はあくまで一般的に語られる傾向を整理したものです。蒸留回数だけで味わいが決まるわけではなく、蒸留器の形やカットの幅、熟成の仕方によって印象は大きく変わります。目安として受け取るくらいが、ちょうどいい距離感です。
蒸留回数からウイスキーの違いを考えると、名前は聞いたことがあっても、「その違いをどう言葉にすればいいのか」は、なかなか難しいところですよね。
ここでは、理屈だけで割り切らず、実際に飲んだときの感覚も大事にしながら整理してみたいと思います。
一般的に言われるのは、蒸留回数が増えると、雑味が整理され、口当たりが滑らかになる傾向がある、ということです。
蒸留は、揮発しやすい成分を中心に集めていく作業ですから、回数を重ねるほど、刺激になりやすい要素や重たい成分が減りやすくなります。
その結果、「すっきりしている」「きれい」「透明感がある」といった表現が似合うウイスキーになりやすい、と感じる人が多いんですね。
一方で、蒸留回数が少ない場合は、原料由来の要素が残りやすいとされます。
麦の甘さや穀物の香り、オイリーな質感、スモーキーさなど、いわゆる“ウイスキーらしい個性”が前に出やすい。
これが好きな人には、たまらない魅力になります。
私自身も、体調や気分によって、どちらを飲みたいかが変わります。
軽やかに香りを追いたい夜もあれば、しっかり腰のある余韻に浸りたい夜もある。
あなたもきっと、そんな日がありますよね。
蒸留回数の違いは、香りの出方にも関わってきます。
軽い香りは蒸留の早い段階で出やすいため、蒸留の設計次第では、フルーティーさや華やかさが前に出ることがあります。
逆に、重たい香りは後半に寄りやすく、そこをどれだけ残すかによって、コクや厚みの印象が変わります。
つまり蒸留回数は、「香りのどの層を中心に据えるか」を決めるための、ひとつの要素なんですね。
ここで忘れたくないのは、蒸留回数だけで味わいが決まるわけではない、という点です。
蒸留器の形や銅との接触の仕方、温度管理、どこをハートとして取るかというカットの基準、発酵のつくり方、そして熟成に使う樽。
これらすべてが重なって、最終的な香味が形づくられます。
だから「三回蒸留=必ず軽い」「二回蒸留=必ず重い」と決めつけないほうが、ウイスキーはずっと楽しくなります。
あくまで“傾向”として受け止める、そのくらいの距離感がちょうどいいと私は思います。
実際の飲み方に結びつけるなら、滑らかで軽いタイプは、ストレートで香りを追うのが気持ちいいことが多いです。
逆に厚みのあるタイプは、ロックや少量の加水で、香りの変化を楽しむのも面白い。
あなたが「今日はどんな気分かな」と考えながら、蒸留回数をひとつのヒントにして選んでみる。
そうすると、手に取った一本が“当たり”に感じやすくなるんじゃないでしょうか。
蒸留回数は、あなたの選択をそっと助けてくれる道具のひとつなんです。
二回蒸留と三回蒸留の違い

二回蒸留と三回蒸留の違いについては、名前は聞いたことがあっても、「一回増えるだけでそんなに変わるの?」と感じる方も多いかもしれません。
正直に言うと、私も最初はそうでした。
ところが、蒸留という工程は、一回ごとに“ふるい”がかかるようなものなので、その一回が思った以上に効いてくるんです。
二回蒸留は、原料の個性と滑らかさの折り合いをつけやすい、とされることが多いです。
最初の蒸留でアルコールをまとめて取り出し、次の蒸留で香味の中心となる部分を選ぶ。
この流れの中で、重さも軽さもほどよく残しやすくなります。
その結果、飲みごたえがありつつ、香りも広がりやすい、バランス型の酒質に寄りやすいんですね。
だから二回蒸留のウイスキーは、ストレートでも、少し加水しても、ロックでも楽しみやすい、いわば万能型だと感じる方が多いと思います。
三回蒸留は、そこにもう一段階、原酒を磨く工程が加わります。
二回目の蒸留で残りやすい刺激になりやすい成分や、重たい要素が、さらに整理されやすくなる。
すると、口当たりがよりスムーズで、軽快な印象になりやすいと説明されることが多いです。
ここでよく使われる言葉が「まろやか」ですね。
まろやかと言っても、甘いという意味ではありません。
角が取れて、舌触りが丸く、アルコールの刺激が尖って感じにくい、そんなニュアンスで使われることがほとんどです。
ただし、三回蒸留については、「個性を捨てる」と言われることもあります。
これは少し強い言い方ですが、方向性としては理解できます。
蒸留回数が増えるほど、原料由来の要素が穏やかになる場合があるからです。
麦っぽさやオイル感が魅力のタイプが好きな人にとっては、三回蒸留が少し物足りなく感じられることもあるでしょう。
一方で、香りの輪郭が整い、果実や花のような香りが見えやすくなる場合もあります。
軽やかだけれど、決して表情が乏しいわけではない。
そんなタイプの三回蒸留も、確かに存在します。
私自身の体感としては、二回蒸留は「芯がしっかりしている」、三回蒸留は「口当たりが整っている」という印象を持つことが多いかな、と思います。
もちろん、これはあくまで傾向で、ボトルごとに違いはあります。
それでも、初心者のあなたが選ぶときの目安としては、十分に役立つはずです。
もし、ウイスキーのアルコールの刺激が少し苦手だと感じているなら、三回蒸留のボトルを試してみるのもひとつの手です。
逆に、飲みごたえや余韻の厚みを楽しみたいなら、二回蒸留を軸に探してみると、当たりに出会いやすいかもしれません。
最後にひとつ大切なことを。二回蒸留と三回蒸留は、優劣の関係ではありません。
あくまで性格の違いです。服の好みと同じで、その日の気分や場面によって選べばいい。
あなたのペースで、少しずつ“違いを見分ける楽しみ”を育てていきましょう。
3回蒸留ウィスキーとは?スコッチの3回蒸留とは

3回蒸留ウィスキーと聞くと、名前は知っていても、「スコッチで三回蒸留って珍しいの?」と気になる方が多いと思います。
一般的には、スコッチは二回蒸留が主流とされてきました。
その中で、三回蒸留を採用する蒸留所や銘柄が存在する、という位置づけで考えると分かりやすいですね。
三回蒸留の目的は、スピリッツをさらに磨き、より洗練された酒質に寄せることだと説明されることが多いです。
二回蒸留でも十分に香味は整いますが、三回目を加えることで、残りやすい重たい成分や刺激になりやすい要素を、もう一段階整理しやすくなります。
その結果、軽やかで滑らか、そして香りが澄んだ印象になりやすい。
これが、「三回蒸留はまろやか」と言われる背景なんですね。
スコッチの世界で三回蒸留を語るときは、「例外としての個性」として見てあげると面白いと思います。
多数派ではないからこそ、蒸留所の狙いがはっきりしている場合が多い。
たとえば、飲み手にとって親しみやすい口当たりを目指したい、あるいは軽やかな香りを前に出したい、といった方向性です。
三回蒸留のスコッチを飲むと、香りの中に重たい要素が少なく、果実や花のような雰囲気が感じやすいことがあります。
もちろん、すべてがそうとは限りませんが、そうした傾向が語られやすいのは確かです。
一方で、スコッチの大きな魅力のひとつは、モルトの個性やスモーキーさ、そして厚みのある余韻です。
二回蒸留のほうが、そうした要素が残りやすい場合があるからこそ、二回蒸留が主流になった、という見方もできます。
つまり、三回蒸留のスコッチは、いわゆる「スコッチらしさ」のど真ん中というより、「別の角度から見たスコッチの表情」を楽しませてくれる存在、と捉えるとしっくりきます。
私が昔、バーで三回蒸留のスコッチをすすめられたとき、最初に感じたのは、“すっと入る感じ”でした。
香りが尖らず、口の中で広がるのが早い。
そこから少しだけ加水してみると、さらに柔らかさが増したんです。
もしあなたが、スコッチに興味はあるけれど、スモーキーさや重さが少し怖いと感じているなら、三回蒸留のスコッチは、入口として悪くない選択かもしれません。
ただ、繰り返しになりますが、蒸留回数だけで全てが決まるわけではありません。
蒸留器の形やカットの幅、そして熟成の設計によって、表情は大きく変わります。
だからこそ、三回蒸留のスコッチに出会ったら、「この蒸留所は、どんな狙いで三回蒸留を選んだんだろう」と想像しながら飲んでみてください。
その視点があるだけで、一杯がぐっと楽しくなりますよ。
スコッチ蒸留の特徴

スコッチ蒸留の特徴を押さえておくと、「蒸留回数の話」がふわっと浮かずに、ちゃんと地に足がつきます。
名前は聞いたことがあっても、「スコッチって何がスコッチらしいの?」が曖昧なままだと、二回だ三回だと言われても、手触りがつかみにくいんですよね。
ここでは“蒸留”の観点から、スコッチの個性がどこから生まれやすいのかを整理してみます。
まず、スコッチのモルト系は、単式蒸留のポットスチルが中心です。
ポットスチルは銅製で、蒸留所ごとに形が違うことが多い。
ここが香味の個性に直結しやすいポイントです。背の高いスチルは軽やかさに寄りやすい、と言われ、背の低いスチルは重厚さが出やすい、と言われることがあります。
これは「蒸気が上がっていく途中で冷えて戻る動き(いわゆる戻り)」が起きやすいかどうかが関係していて、その戻り方によって、軽い成分が前に出やすくなったり、重ための要素が残りやすくなったりするんですね。
首の角度や蒸気の通り道の取り回しでも、この“戻り”のニュアンスは変わります。
つまりスコッチの蒸留は、設備の設計そのものが個性の源になりやすい、という見方ができます。
もうひとつ大事なのが、カットの哲学です。
蒸留では、最初と最後の部分は刺激や重たさが出やすいので、中心のハートを主に使う、という考え方が基本にあります。
ただ、この“中心をどれだけ広く取るか”は蒸留所によって違います。
広く取れば軽やかに寄せやすい場合があり、狭く取れば凝縮感や厚みが出やすい場合がある。
ここに蒸留所の狙いが出ます。同じ二回蒸留でも「全然印象が違う」と感じるのは、蒸留回数そのものより、蒸留器の設計やカットの取り方の積み重ねが効いていることが多いんですね。
そして、スコッチの発展には、モルトだけでなくグレーンも関わります。
連続式蒸留でつくられやすいグレーン原酒は、一般的にはクリアでクセが少ない傾向があり、モルトの個性を支える役割を担います。
モルトの力強さと、グレーンの滑らかさを合わせることで、バランスの良いブレンデッドが生まれる。スコッチが世界で親しまれやすくなった背景には、こうした蒸留方法の使い分けもあるんです。
初心者のあなたにとって、スコッチ蒸留の特徴を全部覚える必要はありません。
まずは「スコッチのモルトはポットスチル中心で、蒸留所の設備やカットで個性が出やすい」と押さえれば十分です。そこに蒸留回数の情報が加わると、選び方が少しだけ立体的になります。
「二回蒸留だけど軽やか」「同じ二回でもオイリー」みたいなズレが、“なるほど、そういうことか”と腹落ちしやすくなるんですね。
最後に飲み方の話を少し。スコッチは香りが立体的なことが多いので、まずはグラスに注いで、香りをひと呼吸置いてから嗅いでみるのがおすすめです。
口に含んだら、急がずに。あなたのペースでいいんです。
蒸留の特徴は、飲み急ぐと見えにくい。じっくり向き合うほど、スコッチは応えてくれますよ。
3回蒸留ウィスキーの蒸留所、ウイスキー蒸留所とは
3回蒸留ウィスキーを考えるとき、「蒸留所って、そもそも何をしている場所なんだろう?」と一度立ち止まってみると、三回蒸留という選択の意味が、ぐっと腑に落ちやすくなります。
名前は聞いたことがあっても、蒸留所の役割を意識する機会は、意外と少ないかもしれませんね。
蒸留所とは、仕込みから発酵、蒸留までを行い、ウイスキーのもとになる原酒をつくる場所です。
ここで生まれた原酒が、樽で熟成され、最終的にあなたが飲む一本につながっていきます。
蒸留所ごとに設備の設計や運用の考え方が異なり、それがそのままブランドの個性になります。
蒸留回数も、その蒸留所が「どんな酒質を目指すのか」を示す、ひとつの意思表示なんですね。
三回蒸留を採用する蒸留所は、一般的には「より滑らかに」「より軽快に」「より洗練された香味に」といった方向を意識していることが多い、と説明されます。
二回蒸留でも十分においしいウイスキーはつくれます。
それでもあえて工程を増やすのは、はっきりとした狙いがあるからです。
たとえば、若い飲み手にも親しみやすい口当たりにしたい、ストレートでも飲みやすい質感を目指したい。
そんな設計思想が背景にあることもあります。
また、三回蒸留は工程が増えるぶん、管理のポイントも増えていきます。
蒸留のたびに、温度の上げ方や時間のかけ方、どこをハートとして取るかという判断が絡んでくる。
蒸留所の仕事は、単にボタンを押して機械を動かすことではありません。
蒸留の流れを読みながら、「どこを残して、どこを外すか」を決めていく。
その積み重ねが酒質を形づくります。
ここが面白いところで、同じ三回蒸留でも、蒸留所が違えば狙いも違い、味わいも変わってくるんです。
近ごろは小規模な蒸留所も増えていて、少量生産だからこそ、細かな試行錯誤ができる、という話もよく聞きます。
原料の配合、酵母の選び方、発酵の温度管理、蒸留器の形の工夫。
こうした要素が組み合わさって、蒸留所ごとの個性が生まれ、三回蒸留という選択を、より意味のあるものにしていきます。
ボトルを選ぶとき、「蒸留回数」だけでなく、「どの蒸留所がつくったか」に目を向けてみると、面白さが一段増しますよ。
私が初心者の方にお伝えしたいのは、蒸留所は“味の設計図を書いている場所”だということです。
蒸留回数は、その設計図の一部にすぎません。
だから、三回蒸留の蒸留所を見つけたら、「この蒸留所は、何を目指して三回蒸留を選んだのかな」と想像してみてください。正解はひとつではありません。
でも、その想像が、あなたの一杯を少し豊かにしてくれるはずです。
ウイスキー蒸留回数の違いまとめ
ここまで、ウイスキーの蒸留回数について整理してきました。
蒸留回数は味を決める大切な要素のひとつですが、それだけですべてが決まるわけではありません。
それでも、初心者のあなたがボトルを選ぶときの“手がかり”としては、とても頼りになる情報です。
蒸留とは、発酵で生まれたアルコールと香味成分を取り出し、選び取る工程でした。
温めて蒸気にし、冷やして戻す。
その中で、最初・真ん中・最後で中身の性格が変わり、蒸留所はハートと呼ばれる中心部分を主に使います。
一般的には、二回蒸留は厚みや飲みごたえが残りやすく、三回蒸留はより滑らかで軽快な方向に寄りやすいとされます。
ただし、これは優劣ではなく性格の違い。蒸留回数は、蒸留所が目指す酒質を示すヒントにすぎません。
次にウイスキーを選ぶとき、「今日は軽やかに」「今日はしっかりと」と気分に合わせて蒸留回数を眺めてみてください。
飲み方に正解はありません。知った分だけ、ウイスキーは少し身近で楽しい存在になってくれますよ。
ウイスキーの種類や味の仕組みを体系的に知りたい方は、「ウイスキー初心者完全ガイド」で全体像を整理できます

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